その4、風。
有楽町の駅を出て、銀座に向かって歩き始めたとき、まき衛門ははっとしました。その日は風が強くて、いろんな角度から風が吹いていたのですが、ある瞬間頬に吹き付けた風に見覚えがあったのでした。その、独特の柔らかさと、なつかしさに一瞬心がふわっとなるようなその風。
「こんなビルの真ん中で海風が吹くなんて…。でも、あれはそうよね。」と思いつつ地図を思い浮かべてみると、そういえば銀座って、割と海の近くです。きっと海の空気感がビル風に混じってここまで運ばれてきたんだなって思ったとき、まき衛門はちょっと銀座が好きになりました。
で、なぜ銀座かと申しますと、ポーラ化粧品のギャラリーで、エミール・ガレの作品が無料展示されているっていうのと、与謝野鉄幹・晶子夫妻にゆかりのある画材店に行ってみたかったことと、以前行ったことのある山野草の専門店を再び訪ねたかったことと、銀座の植物づかいを見てみたかったことと。そんなこんなで、またてくてく歩いてきました。
銀座は、今新しいビルの建築ラッシュのようで、すでに建っているもの、完成間際のものなど、いろいろ面白いものがあったし、職人の若いおにいちゃんがたくさんうろうろしていたし、なんか街の表情が豊かでした。
この某ブランドのビルは、表参道のあのビルと同じ建築家の設計かしら、と思ってみたり。
これはポーラのギャラリー前。海外のフラワーアーティストが、ガレの作品展をイメージしてアレンジした作品なのだとか。ここではガレの作品や女性が身を装う道具の歴史なども見られて楽しかったです~。まき衛門はやっぱりガレが好き。と思いました。
こちらは松屋の裏にある山野草の老舗。たしかここが苔玉を初めてつくったお店ではないかということですが。
このように小品盆栽とか、山野草などが素敵に飾られております。
とあるビルと、赤紫のケイトウのみの植栽。インパクトありです。
パチンコ屋さんの壁に沿ってゼラニューム、ゼラニューム、ゼラニューム…。
銀座の植栽って、群れで迫力を出すデザインが多かったです。下手な寄せ植えをするよりはそのほうが高級感があるってことかな。その分、色は吟味されているようです。
あるデパートの前ではこんな植栽もありました。とにかく植物にお金をかける街です。
某出版社のビルの細長い窓と、街路樹がとてもいい感じに見えたり。
花椿通りに建設中の、椿の花模様のビル。こういう感じって、好き。
まき衛門が行きたいと思っていた画材店の斜め前に建っていました。画材店では名物となっている?ホルンのマークの消しゴムと、与謝野夫妻の短歌がさりげなく印刷されているレターセットを購入。
さてさて。前回、次回予告ということでお見せした写真の建物ですが、
正解は、銀座の中央通りにある、ニコラス・G・ハイエックセンターでございます。
時計のブランドショップが数軒入っているビルで、こんな透明なエレベーターがいくつかあって、各ショップへの直通となっております。しかもエレベーター自体がそのブランドのショウケースにもなっていて、この中に時計や宝石類が並んでおりました。
これはビルの内部なんですけれども、日陰に強い植物の植えられたプランターがひたすら壁面を覆っております。植栽のメンテナンスも簡単にできるようになっているんだそうです。
ひっそりと建っているのに、とても目をひくビルでした。
あとで気付いたのですが、今月号の建築やランドスケープの雑誌の表紙にもなっていて、今これらの業界では注目の建物なんだろうなあと。
確かにすごいなって思いました。これが新しい都市と植物の共存のスタイル、ということなんでしょうか。ただ、植物の経年変化は楽しめないんだろうなあと。
ここだけの話、個人的には花椿のビルのほうが情緒があって好きかも。まき衛門は田舎者ですのでね~。
それでは本日はこれにて。みなさまごきげんよう。
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